人間ドックは病気の早期発見を目的として行われる検診です。
今までの記事では人間ドックの内容について詳しく説明をしてきました。
今回は「健康保険は使えるかどうか」、「費用はどのくらいかかるか」、「価格が高いほうが精度がいいのか」など、費用面にスポットを当ててご紹介していきます。
人間ドックに健康保険は使える?
人間ドックでは健康保険を使えません。人間ドックは病気の治療が目的ではなく、病気を予防するために任意で実施するものなので、健康保険の適用対象外となり費用は原則的に全額自己負担になります。
健康保険は使えないけれど、補助金が出る場合がある
人間ドックに健康保険は使えませんが、民間の医療保険や市町村などのサポートで、補助金や助成金制度が使えることがあります。
国民健康保険の補助制度
個人事業主や年金受給者、無職の人が加入している国民健康保険の場合、自治体が補助金や助成金制度を設けている場合があります。国民健康保険の被保険者で、かつ保険料の滞納がないことが、制度を使うことができる条件です。
例えば、山口市では申し込みをすれば検査費用の約2割の料金(約4,500~9,300円)で受けることができます。
このように、お住まいの地域によって人間ドックに対する助成の有無や内容、要件が異なるため注意が必要です。
国民健康保険に加入している方は、自分が住んでいる自治体のホームページなどを確認し、人間ドックに利用できる補助・助成制度がないか確認してみましょう。
会社の健康保険の補助制度
企業勤めの人や公務員が加入している社会保険のなかでも、人間ドックに対する補助制度を導入しているところがあります。
たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)では、検査項目を増やした「付加健診」や、マンモグラフィ、子宮細胞診などの「乳がん・子宮頸がん検診」、B型・C型肝炎ウイルスへの感染の有無を調べるための「肝炎ウイルス検査」といった検査を受けることができます。
一度、勤務先に確認しておくとよいでしょう。
民間の保険会社の補助制度
個人で加入する民間の医療保険や生命保険にも、人間ドック費用の割引サービスが用意されている商品があります。
費用はどのくらい?
人間ドックの費用は、医療施設や検査コースによって異なります。一般的な人間ドック費用の相場は3万円~5万円です。
一般的な検査の項目には身体計測、眼底検査、血液検査、血圧検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、バリウム検査、便潜血検査などが含まれます。
価格が高い方が精度は高い?
人間ドックの価格は、医療施設が自由に設定できます。
この価格の差は医療施設の立地、医師や看護師のスタッフ数、ホスピタリティなどによります。そのため、価格が高いほうが精度の高いとは一概には言えません。
精度の高さで参考になるものは?
同じ検査を受けるなら、より精度の高い検査を受けたいものです。その場合、参考になるのは日本人間ドック学会の「機能評価認定施設」です。
これは、人間ドックを行っている医療施設に対し、日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みで、全国で412施設(2023年2月現在)が認定されています。
まとめ
健康保険は使えないが、様々な補助制度がある
一般的な人間ドックの費用は3~5万円
価格が高いほうが精度が高いとはいえない
人間ドックは病気の治療が目的ではなく、病気の予防が目的のため健康保険は使えません。しかし、民間の医療保険や市町村などから補助を受けることができる場合があります。
人間ドックの価格は医療施設や検査コースによって異なり、一般的な相場は3~5万円です。しかし、医療施設によって価格を自由に設定できるため価格が高いほうが精度が高いとはいえません。