婦人科検診

子宮頸がん検査と子宮体がん検査、卵巣がん検査の違いとは?

以前の記事で、乳がんの検査方法について詳しく説明をしました。

女性特有のがんには、乳がん以外にも子宮がんや卵巣がんがあります。

今回は、「子宮頸がん検査」、「子宮体がん検査」、「卵巣がん検査」について詳しく見ていきましょう。

子宮頸がん検査とは

子宮頸がん検査では、問診、視診、内診、細胞診を行います。月経時は避けて受診しましょう。月経中の検査では正しい結果が得られない場合があるためです。

一般的に、問診、検査(視診、内診、細胞診)の後に、再び問診という流れで行われます。

子宮頸がんは、20歳から29歳で急増することがわかっています。このことから、若い世代でも積極的に検査をすることが推奨されています

問診

問診では、月経周期や月経の様子、生理痛や不正出血の有無、月経血の量、妊娠・出産の経験があるか、月経以外の性器出血などの症状の有無、検診受診状況、閉経している場合は閉経した年齢などを聞かれます。

視診

視診では、クスコ(腟鏡)と呼ばれる器具を入れて、子宮頸部(子宮の入り口)を確認します。おりものの状態や炎症の有無を観察します。

内診

内診は、左手の指を腟の中に入れ、右手でお腹を押して子宮や卵巣の大きさを確認します。

細胞診

子宮頸部をブラシやヘラでこすり、細胞を採取して異常の有無を調べます。採取した細胞を顕微鏡で調べます。前がん病変と子宮頸がんについて調べることができます。痛みを感じることはほとんどなく、短時間で終わります。

子宮体がん検査とは

子宮体がんは子宮の奥にあたる体部のうちの内膜に発生するがんです。40歳代後半から増加し、50歳~60歳代といった閉経した世代に多いのが特徴です。

子宮体がんの検査は細胞診や組織診といい、子宮口から細い器具を挿入して子宮内膜の細胞や組織を採取して調べる検査が一般的です。

しかし、高齢の女性や出産未経験の女性では、子宮口が狭い、あるいは閉じていて採取器具が挿入できない場合があります。そういった場合には子宮口をひろげる処置をする、麻酔をかけて検査をするということもあります。

また、超音波検査で子宮内膜の厚さを測って判断することも行われます。超音波検査は有用な検査のひとつですが、初期のがんを検出できない可能性があります。

一般的に「子宮がん検診」という場合は、子宮頸がん検診のことを指しており、子宮体がん検診は含まれないことが多いです。

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卵巣がん検査とは

卵巣がん検診を単独で取り入れている医療施設は多くありません。そこで、子宮がん検診の際に内診と経腟エコー検査(経腟超音波検査)を組み合わせることをおすすめします。

これらの検査で、子宮と同時に卵巣の様子を観察することができます。卵巣がんあるいは卵巣腫瘍(良性を含む)の場合、卵巣が肥大することが多いため、観察によって異常に気づきやすくなります。

卵巣は骨盤内の深いところにあるため、検診で卵巣がんを早期発見することは困難であるとされています。

まとめ

今回のまとめ

「子宮頸がん検査」は若い方も積極的に受診しましょう
「子宮体がん」は50歳~60歳代といった閉経した世代に多く発症する
「子宮がん検査」は一般的に子宮頸がん検査のことで、「子宮体がん検査」は含まれないので注意
「卵巣がん検査」は子宮がん検診の際に内診と経腟エコー検査を組み合わせるのがおすすめ

いずれのがんも高齢になるほど発症リスクは高まりますが、若い世代でも発症するので積極的に検査を受けましょう