人間ドックには一般的な検査項目に加えて、自由に追加できる「オプション検査」があります。
オプション検査は、気になる部位や発症リスクが高いとされる疾患に関する部位を詳しく調べるための検査です。
しかし、オプション検査はたくさん受ければよいというわけではありません。
なぜなら、オプション検査を増やせば増やすほど金銭的な負担は大きくなり、すべてのオプション検査を受けることは現実的ではないからです。
今回は必要な検査を受け漏らさないためにも、オプション検査の選び方について説明していきます。
受けたほうがよいオプション検査は、人によって異なる
オプション検査は年齢、性別、生活習慣、家族歴、既往歴、健康状態が気になる部位などをもとに選ぶとよいでしょう。
30代の人が受けたいオプション検査
30代の男性が受けたい検査は胃や肺に関する検査です。
胃がん検査のうち胃カメラは一般検査項目に入っていないことが多いため、オプションで付けることをおすすめします。
女性の場合は20代からレディースドックで乳がん検査(エコー検査)や子宮がん検査を受けておきたいです。
40代の人が受けたいオプション検査
40代になると男性は前立腺がんのリスクが高まります。
また、胃がん・大腸がんの罹患数が30代男性の4倍以上に跳ね上がり、肺がんの罹患数が増え始めます。
女性の場合も胃がんや大腸がんに注意していきたい年齢です。
そして、30代の時と同様にレディースドックも受けておきたいです。
肺がん検査である胸部レントゲン検査と腫瘍マーカーPSA検査は一般項目に含まれていないことが多いです。
そのため、40代男性は胃カメラ、胸部レントゲン、検査腫瘍マーカーPSA検査を受けたいです。
女性は40代になると乳がん検診はエコー検査よりもマンモグラフィのほうが有効とされています。
そのため、女性は胸部レントゲンとマンモグラフィ、子宮頸がん検査、子宮体がん検査を受けたいです。
50代以上の人が受けたいオプション検査
50代になると「生活習慣病」のリスクが高まります。
特にがん、心臓病、脳卒中の3つの病気は日本人の死因の上位を占めているので注意していきたいです。
これらの病気の早期発見のためにも脳ドックや心臓ドックも定期的に受診していきましょう。
女性の場合は、40代に引き続きレディースドックを受けていきたいです。
そして、閉経を迎えると女性ホルモンの量が低下することで骨量も減少するので、「骨密度測定」も受けておきたいです。
遺伝リスクのある方
家族や親族の中に特定の病気にかかった方がいる場合、遺伝リスクも考えてオプション検査を受けるとよいでしょう。
糖尿病や高血圧、がんなどの病気は遺伝リスクがあります。
特定部位に不安がある方
頭痛が起こりやすい方は脳の検査、時々軽い腹痛があるという方は胃や大腸の検査など、自分の身体の気になる状態に合わせてオプション検査を追加しましょう。
自覚症状はないけれど、なんとなく気になるという場合もオプション検査を受けるとよいでしょう。
はっきりとした自覚症状がある場合は、人間ドックではなく医療機関を早めに受診しましょう。
まとめ
年齢ごとに受けたい検査が変わってくる
家族に既往歴がある場合はその病気に注意
特定部位に不安がある方はその検査を受けるとよい
受けたほうが良いオプション検査は人によって変わってきます。
女性の場合は20代から継続してレディースドックを受けたいです。
男性の場合は30代から胃や肺、40代から前立腺がん、50代以上からがん、心臓病、脳卒中に気を付けていきたいです。
家族や親戚に糖尿病や高血圧、がんの既往歴がある方はこれらの病気に気を付けたいです。
また、はっきりとした自覚症状がなくても何となく不安な部位がある方は、その部分についてのオプション検査を受けるとよいでしょう。