みなさんは健康診断、検診、人間ドックの3つの違いをご存じでしょうか?
普段何気なく使っている言葉でも、改めて聞かれるとどう違うんだろう?と感じるのではないかと思います。
今回は、この3つの違いについて説明していきます。
健康診断とは?
「健康診断」とは、身体の異常の早期発見を目的とした検査のことです。
国が事業者に対し、労働安全衛生法第66条に基づき労働者へ年に一度の受診を義務付けています。企業が労働者の健康状態を把握する目的もあります。
検査項目は問診(既往歴および業務歴の調査や自・他覚症状の有無の確認)、身体測定、視力・聴力検査、血圧測定、便及び尿検査、胸部エックス線検査など10数項目からなります。
また生活習慣病の予防のために40歳以上には「特定健康診査」(メタボ健診)として、血液検査、肝機能検査、血中脂質検査、空腹時血糖、心電図検査などが加わります。
健康診断は検査項目が限られており、保険も適用されるため安価で受けることができます。会社員の場合、健康診断にかかる費用を会社が補助してくれるため、無料で受けられる場合もあります。
検診とは?
健康診断のことを略して健診といいますが、健診と検診は単なる漢字の間違いではなく意味が違います。
「検診」とは、「病気にかかっているかどうかを調べるために診察などを行うこと」です。ある特定の病気にかかっていないかどうかを、診察や検査によって調べることを言います。
がん検診を受けるなどという場合は、この「検診」を使います。
健康診断は健康状態を確認し、病気の予防や早期発見を目的にするのに対し、検診は特定の病気を早期発見し、早期治療につなげることを目的としています。
検診を受ける場合は、お住いの自治体によって自己負担額が変わってきます。
人間ドックとは?
健康診断や検診と似たようなものに「人間ドック」があります。
「人間ドック」は健康診断の一種ですが、健康診断とは違いがあります。
まず、法的義務があるかどうかです。健康診断は法律で義務付けられているのに対し、人間ドックは個人の意思で受けるかどうかを自由に決めることができます。
また、健康診断は病気の早期発見を目的としているため検査項目が少なめです。
一方で人間ドックは病気の早期発見や早期治療を目的としているので、基本の検査だけでも身体計測、血圧、心電図、眼、聴力、呼吸機能検査、胸部X線、胸部CT、腹部CT、上部消化管X線、上部消化管内視鏡、大腸内視鏡検査 腹部超音波、血液検査、尿検査、便、内科診察、脳MRI、MRA、頸動脈超音波検査、乳腺超音波検査、マンモグラフィー、子宮頸がん細胞診、骨密度、心臓超音波検査など約50項目あり、オプションを追加することも可能です。
人間ドックは検査項目が多く保険が適用されないため、健康診断に比べると費用は高くなります。
まとめ
健康診断
目的:身体の異常の早期発見 費用:安価
検査項目:10数項目~ 法廷義務:あり
検診
目的:特定の病気の早期発見や早期治療 費用:自治体によって違う
法廷義務:なし
人間ドック
目的:病気の早期発見や早期治療 費用:高め
検査項目:50項目~ 法廷義務:なし
病気の検査には様々な種類や目的があります。
「健康診断」、「検診」、「人間ドック」をうまく活用して、健康の維持や病気の早期発見などに役立てていただければと思います!