「女性用の人間ドック」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるのではないかと思います。今回は一般的な人間ドックと女性用人間ドックの違いについて説明していきます。
女性用の人間ドックとはレディースドック
「女性用の人間ドック」とは、通常の人間ドックで行う検査にプラスして女性特有の病気に特化した検査を行う人間ドックのことです。「レディースドック」とも呼ばれます。
女性特有の病気には、乳がん、子宮がん、卵巣がんがあります。一般的にはがんは高齢になるほど発症リスクが高まります。
しかし、乳がんや子宮頸がんなどは20代から発症するケースも多く、女性特有のがんの発症は若年化している傾向にあります。いずれも、早期発見や早期治療が大切です。
乳がん検診について
乳がんは30歳代から増加し始め、40歳代後半から50歳代前半に罹患率のピークを迎えます。日本人女性がかかるがんの罹患率は乳がんが1位で、9人に1人が発症するといわれています。
乳がん検診の方法には視触診、マンモグラフィ、超音波検査の3つがあります。
視触診
乳房の形の左右対称性、えくぼ・へこみ・ただれの有無、分泌物の有無などを目視で確認し、乳房やわきの下などに触れて、しこりやリンパ節の腫れの有無、硬さなどを確認します。
マンモグラフィ
乳房専用のX線検査で、乳房を2枚の板で圧迫し薄くひろげた状態のX線写真を撮影します。視診・触診では見つけられない小さな病変などを発見することができます。基本的に40歳以上の女性に対して推奨されています。
超音波検査
乳房やわきの下に超音波を発する器具をあて、しこりや病変の有無を確認します。
子宮がん検診について
子宮頸がんは30~40代に多く発症します。子宮体がんの発症は40歳以降から増え始め、最も多いのは50~60歳代です。
子宮頸がん検診は20歳以上の女性が2年に1回受けることが国から推奨されています。
子宮がん検診の方法は、子宮頸部細胞診です。子宮頸部(子宮の入り口)を専用の器具で擦って細胞を採り、異常な細胞がないかどうかを顕微鏡で調べる検査です。
卵巣がんの検診について
卵巣がんは40代~60代に多いがんです。
卵巣がんについては、残念ながら現在では有効な検診や早期発見方法は確立されていません。
まとめ
・女性用の人間ドックとはレディースドック
・乳がん検診や子宮がん検診がある
・乳がんは9人に1人の女性が発症する
・子宮頸がん検診は2年に1回受けることを国が推奨している
女性特有のがんは定期的な検診が重要です。早期発見や早期治療をすることができれば、完治する可能性も高くなります。
他人事だと思わずに検診を受けてがんにかかるリスクを抑えることが大事です。