PSA検査は前立腺がんのスクリーニング検査という、がんの可能性があるかどうかを調べるための検査です。
今回はPSA検査で前立腺がんが見つかるのかを説明していこうと思います。
前立腺がんはどんな病気?
前立腺は男性のみにある臓器で、膀胱の下に位置し尿道のまわりを取り囲んでいます。
前立腺がんはこの前立腺から発生します。
早期の前立腺がんは、多くの場合、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの自覚症状がありません。
自覚症状がほとんどないにもかかわらず、症状が出てからがんが発見されると、そのうちの40%がすでにほかの臓器に転移してしまっている場合もあります。
前立腺がんが進行すると、排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛などの骨への転移による痛みがみられることがあります。
PSA検査について
前立腺がん検診で行われる検査はPSA値の測定です。
前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっていて、前立腺液にはPSAというタンパク質が含まれています。
ほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。
PSA検査は採血で行われ、血液中にあるPSA値を測定します。
一般的に4ng/ml未満が正常ですが、年齢によって基準値を下げる場合もあります。
PSA値が高くなるにつれ、前立腺がんである可能性も高くなっていきます。
PSA値が高かったら
PSAの値が値が高くなるにつれ前立腺がんである確率は高いと言えますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも高くなることがわかっています。
またPSA値が基準値以上だった場合でも50~80%はがんが見つからないこともあると言われています。
そのため基準値以上の場合は、より詳しい検査を受けることになります。
あくまでPSA検査は前立腺がんの可能性を調べる検査で、前立腺がんの確定診断を下すことはできません。
正確な診断をするためには、前立腺の組織を取って調べるか、直腸内検診が有用になります。
PSA検査を受けたほうがいい理由
前立腺がんの確定診断ができなくても、PSA検査を受けることで、前立腺がんの早期発見につなげることができます。
前立腺がんで亡くなるリスクや、がんが転移する可能性の低下、治療の選択肢の増加が期待できます。
家族に前立腺がんと診断された人がいる男性は、40歳になったらPSA検査を受けることが推奨されています。
また、PSA検査は定期的に受けることも大切です。
まとめ
PSA検査を受けることで、前立腺がんの早期発見につなげることができる。
PSA値が高くなるにつれ、前立腺がんである可能性も高くなるが、他の病気の可能性もある。
正確な診断をするためには、前立腺の組織を取って調べるか、直腸内検診が必要である。
前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。
そのため早期発見にはPSA検査を定期的に受ける事が大切です。
ただしPSA検査はあくまでも前立腺がんの可能性を調べる検査で、確定診断を下すことはできません。
PSA値が高かった場合、さらに詳しく検査を受け、前立腺がんの早期発見に役立てましょう。